人間は、様々な動作を組み合わせて、住まいという空間のなかで日常生活を送っています。
日本の伝統的な住まいでは、畳の間や板の間が組み合わされており、それぞれ使う人ごとの部屋であり、そこで様々な行為が行われていました。このような部屋のあり方を転用性と呼び、固定的な家具を置くことなく、必要なときに部屋に持ち出して使っていました。例えば、和室に布団を敷いて就寝し、朝には布団を押入れに片付けて、お膳を出して朝食をとることなどです。
ヨーロッパなどの住まいでは、床が石や板張りで出来ているため、元々、椅子やテーブル、ベッドなどの家具によって、床から人体を離すことで快適さを作り出してきました。現代の日本の住まいや部屋も洋風化し、これらの洋風家具を使用するようになり、部屋の用途が決められるようになりました。
インテリア計画では、部屋ごとに主に生活行為が固定されるために、リビングルームやキッチンなどの各部屋のことを単位空間と呼びます。それぞれの部屋で、いくつかの動作を行うことから、動作空間を組み合わせて、余裕を加えて、単位空間が生まれます。